店舗設計は簡単にはいかないワケ

さて、居酒屋という業態で起業しようと考え、

自己資金も殆どない私が、今は成功していると思われています。

そこに辿り着くまでに、幾度となく経済的に打撃を被り、

何とか切り抜けてきた結果、今の生活があるのです。

初めから、順風満帆に「事」が進んだわけではありません。

しかし、諦めない気持ちが強ければ強いほど、成功を掴めると信じています。

今回は、店舗設計についてお話ししていきます。


店舗の客席数

前回お話しした通り、基準の客席数は1坪あたり1.2~1.5席です。

席数を減らすことで、お客様の1席に余裕ができ、ゆったりとした空間を提供できます。

その反面、集客率を低下させるため、売上げを伸ばせなくなります。

それを克服するためには、高客単価を狙うことが不可欠です。

例えば、高級食材を取り扱ったり、本格的な専門料理を提供したりします。

しかし、価格が上がれば上がるほど、客層ターゲットも減少します。

では、席数を増やしていくと、お客様にとっては窮屈になります。

つまり、お客様がくつろげるスペースを確保できず、

長時間の滞在を避けるようになってしまいます。

席数を増やしたにもかかわらず、客単価が伸びずに、

売上げを伸ばすことに、繋がらなくなる場合もあります。

その時代時代で変わってはいくのですが、大切にすべきことは、

お客様が満足できるスペースを確保し、提供することなのです。


お客様の利用目的を知る

「居酒屋を利用するお客様は?」を、考えてみましょう。

◇友だちと近況報告がてらに食事する

◇恋人と食事する◇同僚と仕事の愚痴を言い合う

◇会社のお客様を接待する

◇会社で忘年会・新年会をする

◇家族で記念日を祝う

◇仕事の疲れを癒す

などなど、お客様は様々な目的があって利用します。

それらの利用目的に合った、店舗の空間を創ることで、

利用してくれるお客様の幅を広げることができます。

つまり、一人で来店しても食事ができる『カウンター席』や、

友人・同僚と楽しめる『テーブル席』、みんなでゆっくりくつろぐ『座敷』

接待や家族団欒に『個室』などがあると、様々な目的に対応できます。


お客様が『満足できる席』

昔から「お客様は神様です」と言われてきたように、

商売とはお客様は大切であり、お客様がお店の運命を握っています。

少しでも、お客様の要望に応えることは大事なことなのです。

お客様を満足させるためには、料理の味やサービスはもちろんですが、

お客様のくつろぐ席のセッティングも、その一つではないでしょうか。

そのため、前に述べたような「3種の席」がオススメなのです。

3種の席とは、カウンター席・テーブル席・座敷のことです。


カウンター席

『カウンター席』は、主に1~2名のお客様に対応できます

お一人でお食事をする際に、気軽に入っていける席は必要です。

また、退屈しないようにオープンキッチンであれば、なお良いです。

ホールスタッフが対応すると、他の席のサービスが疎かになる場合もあり、

キッチンスタッフが対応することで解消できるからです。


テーブル席

『テーブル席』は、2~6名のお客様が利用します

移動可能なテーブルであれば、人数の増減に素早く対応できる利点があります。

しかし、隣りのお客様との距離が気になる方もいるのが欠点です。

また、移動可能なテーブルは、長年使っていると不安定になりがちなので、

1本脚よりは、4本脚のテーブルをオススメします。

前述のように近年は、他のお客様と交わりたくない傾向にあり、

「個室感覚」である『ボックス席』と呼ばれるタイプが多いです。

これはテーブルが移動できないので、人数の変化に不利なのが難点です。


座敷

『座敷』は、靴を脱ぐ習慣のある日本人に最も好まれ、大人数で利用できる席です

同窓会や暑気払い、忘年会・新年会など、大人数が集まる宴席は、

飲食業界の繁忙期とは、切っても切れない「稼ぎ頭」になります。

接待などでも利用してもらうためにも、4名程度の『個室』は重宝されます。

4~6名の個室を並べ、襖で区切るような工夫を施すことで、

少人数でも大人数でも利用できる座敷の設計は、オススメです。

また、近年は『掘りごたつ式』が主流で、足腰の悪い方には最適です。

しかし、建築費用がかかってしまうのが、やや難点です。












設計者泣かせの理由

では、実際設計に挑むのですが、前述のような客席の他に、

ご存知の通り、トイレや収納といった部分も必要になってきます。

これが、設計者を泣かせる部分なのです。

つまり、私たちは席の種類や席数を確保するよう要求するものの、

店舗の形状や通路の確保などを考慮していくと、上手くいかないことが多いのです。

これこそ私たちのような「素人」では分からないため、

設計するデザイナーの手腕に頼るしかありません。

あらゆるお客様を想定して、どんな種類の席をどれくらい配置すべきか、

こちら側の要望と設計者の意図を、何度も何度も検討を重ねていくのです。

その中で、収納部分はあればあっただけ良いです。

例えば、カウンター席の下に収納扉を付けたり、ボックス席をベンチシートにして、

座面の下を収納にするなどして、収納部分を造っておくことが、後々役に立ちます。

キッチン内でも冷蔵・冷凍庫なども多く設置し、天井から吊戸棚を至る所に設置しましょう。


建築費用と設計費用

様々な夢と構想の中、店舗を創り上げていくのですが、

最終的に「要検討」すべき点は、やっぱり現実問題として『費用』です。

ザックリですが、立派な店舗にするには、何もない状態のテナントからだと、

1坪あたりの建築費用は、およそ100万円です。

つまり、20坪のお店であれば2,000万円だと思ってください。

もちろん、材料も幅広く、もっと安価にすることは可能です。

また、以前同業のテナントで、改装だけであれば、安価であることは明白です。

私個人の意見とすれば、お客様は「キレイなお店」を好むということです。

前のお店の名残があると、前のお店を思い出すものです。

もし、営業不振でお店を閉めた店舗であったとすれば、

お客様の頭の中に、その場所のお店に対する悪い印象が残っているのです。

それを一掃するためにも、掛けるべき費用は掛けることです。

費用が掛かれば掛かるほど、愛着も出てくるし、

返済のために頑張らなければならないと、あなた自身の意欲にも繋がります。

私は、お金を掛けた「お店」には、お客様は集まると信じています。

次に、設計費用ですが、相場は建築費用の1割です。

20坪のお店の建築費用が2,000万円であれば、設計費用は200万円です。

設計事務所によって違いますので、設計を依頼する時点で、

確認しておくことをオススメします。


さいごに

いかがでしたか、段々と自分のお店の構想が浮かんできたことでしょう。

もちろん、なるべくお金を掛けない方が、リスクも少なくて済みます。

でも、これからたくさん稼いでいくためには、投資も必要です。

できる限り安価で造ってしまったために、

数年後に修繕しなければならないような場合も、あります。

しっかりしたお店を造ることで、数十年は修繕することなく、

「愛されるお店」を築き上げることができます。

冷蔵庫や厨房設備に関しては、寿命やメンテナンスが付きものです。

リース契約にすることで、修理の心配がなぬなりますので、

初期費用を抑えることにもなりますので、検討するといいです。

次回は、費用と経営上の計算についてお話しします。










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