初期費用を融資してもらう「コツ」教えます!

前回は、経営数字のプロの信用を勝ち取るために、

経営計画の書き方についてお話ししました。

「分からないことばかりで、大変だなぁ」と思われた人も、

沢山いて質問もいただきました。

そこで、今回は『資料作成のコツ』をお話ししていきます。

資料は、細かい計算が必要なので『表計算ソフトExcel』を活用してください。

一度、ひな型を作っておくと、後の計画書作成に手間がかかりません。

以下で解説する中で、』項目は直接入力する値であり、

それ以外の『』項目は、前の値を使うか、計算式を入力しましょう。


物件説明

上記の表は、表計算ソフトで作成したもので、実際に使用したものです。

前回解説した『事業計画書』の作成に役立ててください。

①~③(赤)は契約時に決定している数字(税込み)を直接入力します。

④~⑦(緑)については、計算式を入力して表示します。

一般的に④~⑦は、家賃(賃料と共益金)の〇ヶ月分となりますので、

④、⑤、⑥、⑦=(②+③)*〇

と、計算式を入力すれば表示されます。

表の左側は「1坪あたりの価格」を参考までに表示させています。

①~⑦=①~⑦/①

また、立地については店舗の所在地がわかる地図を貼付けましょう。


投下資本計画

開店前までに支払う「店舗所得費」は、前項で計算した数字(セル)を表示させます。

小計の⑧は、SUM関数を使うのが便利です。

「工事費」は、各業者から頂く見積書を参考に直接入力します(税込み)。

小計の⑨は、⑧同様です。

前回にお話しした通り「開業費」は、少し厄介な部分です。

まだ正確な金額が決められないので、少し余裕を持って金額を決定しましょう。

つまり、ここの金額は、これから必要とする未知の金額なので、

あなたの融資条件を満たすように、故意に操作することができます。

小計の⑩も同様に計算し、⑪は各⑧~⑩を加算する計算式を入力します。

⑪=⑧+⑨+⑩

最終的に『投下資本』がどれくらいかかるのか、明記しておきましょう。

⑬=⑪+⑫


資金調達と返済計画

⑭~⑯は、直接入力します。

また、2か所の金融機関を利用する場合は、⑰~⑲にも直接入力します。

融資条件の中には、自己資金の有無が含まれている場合があります。

例えば、20%の自己資金所有が融資条件であれば、

2,000万円を借入れするためには、400万円の自己資金が必要ということです。

上表で、本来ならば「投下資金合計」には、前項の⑬の数字を使います。

自己資金⑳は、投下資金合計から⑭と⑰を引いた金額(端数を自己資金に含む)です。

調達資金合計(#1)=⑭+⑰

借入金額は元金と呼ばれ、元金を分割して返済していくのですが、

その元金に金利がかかってきます。

#2=⑭#6=⑰

#3=#2*⑯#7=#6*⑲

従って、分割した元金と金利を返済していくことになります。

#4=(⑭/⑮)+#3#8=(⑰/⑱)+#7

年間で返済した金額に、金利は含まれませんので、翌年の元金は、以下になります。

#5=#2―(⑭/⑮)

複数の金融機関から借入れした場合は、返済合計を計算しておきましょう。

#9=#3+#7#10=#4+#8

#11=#9+#10

正確には、返済すれば元金が減るので、月毎に金利も変わります。

ここでは、まだ計画の段階なので年間での返済額を、単純計算しています。












減価償却費計画

前回お話しした通り、減価償却資産には、有形なものと無形なものがあります。

また、それぞれに対して、耐用年数が決まっています。

詳細は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を参照。

直接的に営業活動に関わる費用ではなく、経理処理すなわち税務業務なのです。

簡単に言うと、食器を購入した場合、食器は有形減価償却資産となります。

食器の耐用年数は2年と定められていて、2年間で価値がなくなる扱いです。

購入金額のおよそ90%が資産に代わってくるのです。

詳細は「減価償却資産の償却率」を参照。

つまり『減価償却費』とは、あるものを購入(支出)した金額は計上されますが、

購入した金額のおよそ90%を耐用年数の期間で、

資産(収入)とすることができるのです。

各項目に対しての費用を、投下資本計画で洗い出した項目から振り分けます。

ここでは、単純計算で原価償却額を90%として算出します。

減価償却額=金額*90%

償却方法は、定額法と定率法がありますが、ここでは「定額法」とします。

また、各項目の耐用年数を入力します。

定額法なので、金額を耐用年数で均等に割ることで、年間の減価償却額を算出できます。

ここでは、年間の「減価償却額#12」を算出しておきましょう。


売上げ計画

ここからが重要な資料となってきます。

なぜならば、実際に営業した時の『成績』が問われることになります。

説得材料となる『現実的に可能な計画書』でなければならないのです。

業態、営業時間を決定します。

坪数は、物件説明で入力した①の数字を使います。

1坪あたりの客席数は、事項で説明します。

設計図面を見て席数を数え、A(赤)に直接入力します。

下のA(緑)には、A(赤)で入力した数字を使いましょう。

A(緑)=A(赤)

前項に戻りますが、1坪あありの客席数は、①/Aで算出できます。

B、Cについて検討して、直接入力します。

例えば、4名席が10テーブル設置された店舗を考えた場合、

2名組のお客様で満席になったら、満席率Bは50%ということです。

また、10テーブル全てが2組のお客様が利用すれば、

回転率は2回転ということになります。

その時間帯に、どれだけのお客様が来店してくれるかを検討するのです。

客数D=A*(B/100)*C

ここを「現実離れした数字」にしてしまうと、絶対に説得することができません。

客単価Eは、メニュー構成にもよりますが、時間帯によっても変わります。

売上げF=客数D*客単価E

G、H、Iが、1日の売上予測です。

1週間の売上Jは、平日(月~木)の営業日数、週末(金、土)なので、

例えば、年中無休ならば以下の計算式で算出できます。

J=(G*4)+(H*2)+I

日商平均Kは、1週間の売上Jを1週間の営業日数で割ります。

Lは、1年間の営業日数を直接入力します。

M=K*L

N=K/①

ここまで検討して、直接入力してきた値を微妙に変えることで、

無理のない売上げ予測が立てられますので、密に検討することが大切です。












人件費計画

実際の営業から「繁盛店」を築き上げるためには、

お客様に不満を与えないサービスの提供が重要ポイントになります。

そのサービスの提供に必要な人員を揃えれば、人件費が上昇し、

それが直接、利益を圧迫してしまいます。

そうならないためにも、少数精鋭で経営していくことが大切です。

正社員の採用計画、勤務条件、給与額(月給)を決めます。

福利厚生として厚生年金保険に加入するのであれば、

その際に、雇用側が負担する保険料も入力しておきましょう。

詳細金額は「厚生年金保険料額表」を参照。

アルバイトの採用予定、勤務時間、時給などを決め、

給与額を算出しておきます。

正社員にかかる年間人件費O、及びアルバイトにかかる年間人件費P、

総人件費Qを算出しておきましょう。

Q=O+P

賞与を支給する場合は、その合計も算出しましょう。

これら全てを決め、年間の総人件費を算出します。

また、人件費率も算出しておくことを、忘れないでください。

人件費率R=(Q/M)*100


経費計画

営業に関わる経費を洗い出し、経費の総額を予測しましょう。

また、固定費・変動費に区分することで、

利益を出すために必要な売上げ「損益分岐点売上」を算出します。

ちょっと、数字が苦手な人は大変かもしれませんが、

各経費の項目一つ一つを検討していきます。

売上げ、人件費、家賃は以前のシートで算出したものを、使いましょう。

「水光熱費」は一般的に4~5%(Sなので、対売上高比率に直接入力し、

逆に、売上げをかけて、経費金額を算出しましょう。

「消耗品費」についても同様で、一般的に1~3%(Tです。

「修繕費」や「広告宣伝費」については、開店当初は必要ない経費ですが、

必要になる場合を考慮し、積み立て金として考えましょう。

「通信費」は、インターネットや電話・FAXなどです。

「衛生費」は、ユニフォームのクリーニング代や玄関、トイレのマットなど、

「租税公課」は、収入印紙などです。

最後に「売上原価」ですが、33~35%(Uが理想です。

ここまでの営業経費の合計(V)を、算出しておきます。

これらの経費を固定費と変動費とに区分して、それぞれ合計(W・X)を算出します。

Y=W+Y

経営状況を把握するためにも、「損益分岐点」Zを算出します。

Z=W/(1-(X/M))

この損益分岐点は、利益をだすための最低売上げの基準だと思ってください。

つまり、この損益分岐点を下回ってしまうと、『赤字経営』のサインです。


利益計画

これまで算出してきた『経営数字』をまとめ、

今後の経営を継続することで、立派な「繁盛店」になるかどうかを示します。

これが最後の資料なので、もう少し踏ん張って頑張り抜きましょう。

(a)には、売上計画のMを使います。

伸び率(c)は、お店の成長を表し、向こう3年間くらいは順調に伸びます。

本来は少しづつでも成長していくことが望まれますが、

平行をたどった後、衰退していくのが常です。

(b)=(a)*(c)

売上原価の比率は、経費計画のUを使い、(d)を算出します。

(d)=(a)*U

売上総利益(e)=売上高(a)-売上原価(d)

人件費(f)は、人件費計画のQを使います。

伸び率は、スタッフの能力向上や昇給も考慮して検討します。

(g)=(f)*(h)

減価償却費(i)は、減価償却費計画の#12を使います。

その他の経費(j)は、経費計画のVから人件費(f)を引いた値です。

営業経費合計(m)=(f)+(i)+(j)

更に、営業利益(n)=(e)-(m)

支払金利(o)は、返済計画#9を使います。

経常利益(p)=(n)-(o)

納税引当金は、営業実績にもよりますがおよそ48%(qとします。

(r)=(p)*(q)

(s)=(p)-(r)

次に、資産計画について、算出していきましょう。

キャッシュフロー(t)=(i)+(s)

返済額(u)は、返済計画#10を使います。

(v)=(t)-(u)

資産残高合計は、毎年の(v)を累計していきます。

投下資本回収(z)は、投下資本合計⑬の回収経緯を表します。

つまり、キャッシュフロー(t)で回収していくので、

(z)がプラスに転換した年次が、回収年数になります。












さいごに

いかがでしたでしょうか、理解してもらえましたか?

初めての時は、誰でも大変なのです。

しかし、この資料をひな型として保存しておくと、後々便利に活用できます。

ここで、解説してきたことは、金融機関で検討するための、

重要な『事業計画書』として、扱われます。

最初にお話しした通り、(赤)の項目は直接入力して、(緑)は計算値です

このように作成することで、売上げ計画を上げたい場合や人件費を抑えたい場合、

また、利益を残すために原価率を下げたりする『数字いじり』をしても、

最終の利益計算まで、自動で修正して再計算してくれます。

つまり、優良店舗の営業計画を立てるための、

「数字いじり」が必須であり、簡単に作成するものなのです。

もし、分からないことがあれば、何でも質問してください。

実績から得た『知識』をお伝えできると思っています。

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