失敗談から学ぶ『複数店舗経営学』:飲食店の成功バイブル

私の店舗で勤務していた従業員さんが「独立」しました。

今からおよそ4年前の話です。

独立して起業するためには、それ相応の『技量』が必要になります。

彼とは、共に働き出して14年のお付き合いをさせていただいています。

私が独立をして、居酒屋の看板を出した時にも私を頼ってきてくれて、

私の店舗でも十分働いてくれた良き後輩でした。

独立店舗開店の準備を一緒にやってきた経験もあって、彼も独立を希望していました。

経験が身に付き、それが「自信」に繋がったのでしょう。

今回は、その『彼』が独立してからの歩みの実話です。


多店舗経営の一歩

現在は、私が独立して11期目を迎えています。

初めて自分の店舗、すなわち「城」を築いた時には、

テナントを借りて、解体して一から店舗設計を頼んだため、

かなりの開業資金が必要になりました。

そのため、メインバンクから融資をして頂き、毎月の返済に苦しんだことも、

彼は身に染みるほど感じていたことと思います。

経営していく中で「利益」を残すことが、どれだけ大変なことか、

自分自身が思ったように、彼も分かっていました。

長い年月を経て、やっと返済が終了することになると、ホッとします。

しかしその反面、『税金対策』を考えなければ、と思い、

私の出した新たな決断は「2店舗目の出店」でした。

もちろん、また融資を受けて莫大な借金を背負うことは理解していました。

昔から「貧乏」を余儀なくされて生活してきたので、

それほど「税金」を理解していないのにもかかわらず、

「税金」で持っていかれるのなら、借金して最小限の納税で済まそうと、

浅はかな考え方をしていました。


「彼」の新たなステップアップ

私が2店舗目を開業したのは、独立して7年目でした。

前にもお話しした通り、借金の完済する年のことで、

借金がなくなると利益が残り、納税しなければならないなら、

また借金して、帳簿上マイナス計上した方が『得』なのではないかと、

バカな私が考えたことなのです。

しかし、そんな本当の「バカな私」を知らない彼は、私を崇拝しているか、

私の真似をしたかったのか、2店舗目の出店を計画したのです。

バカな私も彼も、同じ2店舗経営に挑戦するのですが、

私と彼との大きな違いは『借金』でした。

私は、1店舗目の借金を完済し、新たに2店舗目の借金をする。

一方、彼は1店舗目の借金もありながら、2店舗目の借金も抱え込むのでした。

たぶん、彼の頭の中では「同じ」だと思っていたのかも知れません。

つまり、1店舗目の借金はその店舗の営業で返済していけるから、

2店舗目で借金しても、同じようにその店舗の営業で返済していけると考えたのでしょう。

それは、どちらの店舗も何の問題もなく繁盛することが絶対条件なのです。

もし、災害に巻き込まれたり、従業員さんが逃げてしまったり、

そんな不安、つまり『リスク』は考えなかったのでしょうか。












私の多店舗経営の自論

私が2店舗目の経営に踏み込んだのは、1店舗目の借金が完済を向かえるからでした。

もし、2店舗目が繁盛しなかったとしても、1店舗目の営業で返済できるのです。

前にもお話しした通り、1店舗目はもう7年間も営業を続け、

地元の方々からの信用も得ていたので、簡単に売上が暴落することは、

考えられないと自負していました。

何か問題が起こるとすれば、人員不足で営業に支障をきたすことです。

従って、私が2店舗目を出店する際に、「リスク回避」として決断したことは、

『自分』がフリーになり、どちらかの店舗が人員不足になっても、

私自身がフォローできる体制にしておくことでした。

つまり、店舗運営を任せられる「人材育成」をすることでした。

そうすることで、私の存在を『経営者』に位置付けたのです。

しっかり人材育成をして、店舗が繁盛してくれたら、何も問題がないのです。

すると、私には『時間』が生まれ、人間的に余裕が出てくるのです。


「彼」の失敗とは?

前にお話しした通り、「バカな私」と「彼」の多店舗展開には、

『リスク管理』において、大きな違いがあったのです。

この違いは、1年も経たない内に、決定的な事件に発展したのです。

彼は、自店での従業員が逃げていかないように考えたのは、

①保証のある社員での雇用と②売上に合わない給料の支給でした。

つまり、高給料で人財を釣り上げていたのです。

そのため、1店舗の売上高で支払える基準の給料額が、増加してしまったので、

2店舗目を出店して人員を分配したのです。

彼自身の1店舗目は、現状維持の営業体制で満足できたのでしょうが、

新たにスタートした2店舗目が、疎かになってしまったのは言うまでもありません。

それもそのはず、店舗運営を任せられる『人材』を教育できないまま、

新店舗を開店してしまったものだから、もう開店当初から「火の車」状態!

1年も営業していないのにもかかわらず、

彼の会社との取引している各業者は、全て「現金取引」が条件になる始末です。


現実は本当に厳しいものです

ここで、バカな私が他店舗経営に成功し、彼が失敗したのかを再度確認します。

私は、前にもお話ししましたが、借金完済が一つの分岐点でした。

何年かの営業状態からみても、問題なく借金完済が近くなった頃、

このまま突っ走るか、もしくは新店舗の開店を目指すか、を考えました。

もっとも、他店舗展開をしていくならば、完全に「勝ち」にこだわり、

失敗しないための『現実的な段取り』を、計画してきたつもりです。

①集客と②差別化と③人財管理の3点に絞っていました。


集客とは

『集客』というと、すぐに広告宣伝と思う人も多いかと思います。

もちろん、地域の情報誌やホームページ、インターネット検索サイトなど、

店舗の露出が有効であるのですが、その代償として『お金』がかかります。

バカな私は『ケチ』なので、その類の広告宣伝は好きではありませんでした。

そのケチな私が考えていたことは、自店で溢れてしまったお客様を、

新店舗に紹介してもらうことで、集客をしていこうと思っただけです。

つまり、広告宣伝費ゼロ計画です。


差別化とは

『差別化』といっても、自店から紹介されて来て下さるお客様なので、

ラーメン店という訳にもいかず、同業種の「居酒屋」スタイルです。

ただ『個室感』を出し、少し『高級感』を匂わせました。

仕入食材のランクを上げたり、高級な日本酒や焼酎なども取り扱いしました。

それによって、客単価も少し高めに設定しています。


人財管理とは

ここが最も重要なポイントです。

なんだかんだ言っても、商売は『人』が命です。

これが私の経営学であり、それを軽視してしまったのがウワサの彼だったのです。

私は多店舗展開をするのであれば、自分のコピーを作らないとダメだと思っています。

自分のコピーとは、自分が居なくても同じ営業ができる従業員さんを教育することです。

つまり、私の店舗に来店してくれるお客様が、引き続き利用して頂くためです。

私が居なくなったら、売上が下がってしまってはダメなのです。

つまり、従業員さんを教育することで「自分のコピー」を作り、

自分が新店舗の営業に入り、お客様を迎え入れる体制が必要なのです。


さいごに

他店舗を経営することは、簡単ではありません。

でも、簡単にしていけるかどうかは『密な計画性』が必要です。

店舗の広さや雰囲気、料理などの差別化は検討すべきポイントです。

その上で最重要な点は、『人が人を呼ぶ』というのが本当の商売です。

しっかりと従業員さんを教育し、自分のコピーつまり「分身」を作ることが、

将来も安定した企業になっていくための条件ではないでしょうか。

そんな訳で、経営困難に直面した彼が、バカでケチな私に相談しに来たのでした。

「1年も営業していない新店舗を買ってくれないかと・・・」

最悪の営業成績を誇る店舗だったので、誰も買ってくれる人がいなかったのでしょう。

私のところに泣きついてきたのです。

そりゃー、私も正直のところ心配でした。

しかし、私は彼から購入することを決意しました。

なぜなら・・・

それは次回お話しします。

そんな「赤字店舗」を「黒字」に転じた手法について、次回はお話ししようかと思います。










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