赤字を黒字にする、たった一つの方法:飲食店の成功バイブル

数か月前のことですが、知人の経営する飲食店を買い取りました。

元オーナーさんは2店舗経営をしていたのですが、新店舗はまだ1年も営業していません。

なぜ私が、まだ新しい店舗を買い取ることになったのは、

前オーナーさんの経営状況が悪化し過ぎたので、相談があったからです。

つまり、新店舗を開店させたが、思った通りの売上・利益が伸びずに、

経営し続けていくのが困難になってしまったとの事でした。

様々な原因はありますが、2,300万円もの開店資金をかけて開店させ、

1年も経たずに売りに出す程の『危機的状況』だったみたいです。

いくらで買ったのかって?

驚くなかれ、なんとたったの500万円で買い取りました!

今回は、そんな赤字の店舗を買い取って、どうやって黒字に変えたのか?

ということについて、私の実践記をお話しします。


安い買い物?高い買い物?

当然「赤字店舗」ですから、好まれる物件ではありません。

あれだけの開店資金をかけて、まだ1年も経っていない新店舗であれば、

1,000万円前後かなぁ、と思ったのですが・・・。

つまり500万円で、そのまますぐに営業できる店舗が手に入るのであれば、

高い買い物ではない、いわば格安物件ではないでしょうか。

強いて言えば『赤字営業店舗』ということが最大の難点です。

そのまま赤字営業であれば、100万円でも高い買い物ですが、

「赤字なら、黒字にすればいい!」と考えた私がいただけです。


弱点を探す

では、今までなぜ赤字続きだったのか?

つまり、その店舗の『弱点』を探し、それを改善することが必然なのです。

飲食店なので、最も重要視すべき点は『味』なのですが、

それが不味いわけではなく、むしろ「美味しい」という声が!

私の経験から言うと、「料理の味が美味しければ、自然にお客様が集まる」。

味に問題がないのであれば、価格と品質が考えられます。

そこで私は、一度、お客様の目線で、営業状況を眺める『観察』をしてみました。

すると、たくさんの『問題点』を発見することができました。

①提供時間

②手書きの黒板メニュー

③隅々の掃除

④スタッフの教育

最速で改善すべき大きな『問題点』は、この4項目に絞ることにしました。












問題点の改善

営業観察で改善すべき問題点を発見したら、すぐに改善しなければなりません。

あくまでも、最低限のレベルまで引き上げることに集中しました。


提供時間

この提供時間は、調理人の技量にも左右されるのですが、

私は「メニュー構成」と「オペレーション」の改善をすることにしました。

店舗の顔になる料理、すなわち提供数の多い料理を見極め、

仕込みから調理手順の見直しをしました。

何でも一から作るのではなく、仕込んでおけるものはしっかり仕込み、

加工品を数多く取り入れることを検討しました。

昨今の冷凍技術の進歩と、本格的な加工品技術には魅力を感じます。


手書きの黒板メニュー

今回買い取った飲食店は、以前はイタリアンを主体としていました。

メニューを書いた黒板が2枚あり、お客様の傍に運ぶスタイルでした。

2組まではそれでいいのですが、その後にお客様が来店されたら、

そのメニューを新しいお客様のところに運ぶしかないのです。

「黒板メニューが2枚しかない」ということは、

「2組のお客様しか見ることができない」ということ、これが問題なのです。

従って、メニューがないお客様からは、追加注文の機会を失ってしまうのです。

これは単に客単価を下げるだけでなく、不便さを感じさせてしまいます。

もちろん、そんな不便さを感じるお店には「また行きたい」とは思われないでしょう。


隅々の掃除

飲食をする場所で、ゴミが目に付けば「美味しさ」は半減してしまいます。

高級料理店と薄汚い倉庫で同じ料理を召し上がった場合、

どちらが「美味しい」と感じることができるかは、はっきりしています。

気分よく飲食していただける『環境』も、重要だと考えています。


スタッフの教育

商売の基本は「人と人との繋がりが重要であること」を教えなければなりません。

それが『接客業』なのです。

スタッフの身だしなみ、表情、態度など、充分気を付けなければなりません。

それは基本中の基本であり、それを上回るサービスが要求されます。

まずは、基本を身につけさせましょう。

サービスレベルの向上とは、お客様が欲することをいち早く察知し、

お客様に言われる前に行動することであり、それが感動・感激を生みだすのです。


赤字経営の実態調査

「なぜ赤字経営なのか?」を把握することが、黒字に転換するための第一歩です。

『赤字』とは、単に「収入」より「支出」が多いことです。

つまり、お金の流れを明確にすることが必要です。

①売上 ②原価 ③人件費 ④家賃 ⑤水光熱費

⑥衛生費 ⑦通信費 ⑧リース料 ⑨広告宣伝費

大きく分類して、主に上記の勘定科目について把握すべきだと思います。


売上

商売を営んでいく上で、最も重要なのが『売上』であり、全ての源となるものです。

知っての通り、売上は「お客様の数」と「販売数」で決まります。

飲食店では、「客単価」といって、一人のお客様の飲食代が良く使われます。

経営上、根本的に売上が足りないことが赤字の原因であることが多いです。

もし、単に売上が足りないのであれば、売上を上げるための作戦を立てましょう。

前述の通り、客数を増やすのか、客単価を上げるのか、ということです。


客数を増やすには

客数を増やしたいと思うのであれば、宣伝媒体を活用することが最も簡単ですが、

それには「費用」がかかることは前にもお話しした通りです。

私自身の考えは、そもそも赤字なのだから「費用」をかけたくないです。

もちろん、費用をかけた分の集客が見込めるのであれば、それも良しです。

しかし、よく考えてください。

そもそも、これまで営業していてお客様の数が増えないということは、

営業体制や商品など、他に問題があることが多いのです。

つまり私が言いたいことは、来て下さったお客様が、

そのお店で飲食されて、何らかの『感動・感激』を与えられたら、

誰でも「もう一度行ってみたい」「誰かに教えてあげたい」という気持ちになり、

自然に『口コミ』が拡がり、結果来店客数は増えていくものです。

例えば「料理が美味しい」「ボリュームが凄い」「気遣いが嬉しい」など。

まずは、それが一番重要なところなのです。


客単価を上げるには

次に客単価を上げたいと思うのであれば、メニューの見直しをすべきです。

これは、店舗のコンセプトによっても違ってきます。

例えば和食であれば、「刺身」「焼き物」「煮物」「揚げ物」「蒸し物」「珍味」

「サラダ」「食事」「デザート」などが考えられます。

これらが全て揃っていて、「魚」「肉」「野菜」を頼めることが、最良です。

飲み物についても「ビール」「焼酎」「ウイスキー」「日本酒」「ワイン」

「カクテル」「ジュース」など、全てのお客様の要望に応えられるといいです。

その上で重要なことは、スタッフが「お勧め」することです。

つまり、お客様とのコミュニケーションが最も効果を発揮するのです。


原価

次に、原価についてお話しします。

よく「原価率を下げろ」などと、チェーン店の会議などで耳にします。

そもそも『原価率』とは、「仕入れた金額」と「売上」から計算されます。

知っての通り、前項の売上が上がれば原価率が下がることでしょう。

しかし、売上が上がっても原価率が下がらないという状況の方もおられるでしょう。

一般的には店舗毎に、基準の原価率を設定しています。

これは、長年の実績から導き出された数値であり、メニュー変更すれば変わります。

つまり、原価率とは「結果論」での数値なのです。

しかし、利益を残すためには原価率は低い方が望ましいのです。

そこで、重要なことは「販売価格を付け方」なのです。


販売価格の設定

まず初めに参考にすべきは、同業他社の価格設定です。

同業他社と同等の料理を提供していて、価格に差があり過ぎるのは問題です。

他店よりもボリューム感があり、しかも美味しいものが安価であるならば、

お客様にとっては最高ですが、自店にとっては悩みのタネになってしまいます。

その「商品価値」と「販売価格」とのバランスが大事なのです。

私の経験上、原価率を下げるには「無駄を無くすこと」が一番の特効薬です。

ここで、メニューの価格設定する上で大事なプロセスを教えます。

まずは、「見た目」で価格を決定しましょう。

つまり、「あなたならいくらだったら食べたいですか?」を直感で決定するのです。

次に、実際の原価を計算し、その販売価格と基準の原価率を比較しましょう。

もし原価率が下回っていれば、同業他社との価格差を判断材料にします。

一方、原価率が上回るのであれば検討が必要です。

ボリュームを落としてみるとか、材料を変えてみるとかしてみましょう。

最後に、一品の「ボリューム感」について、

お一人様に提供した場合に、適切かどうかも重要です。

なぜならこれが、追加オーダーを増やすきっかけにもなるからです。


人件費

この人件費こそが、利益を左右する最も重要なポイントになります。

もちろんのこと、スタッフ数は少なければ少ない方が良いのは当然です。

しかし、スタッフ数が少ないことでお客様に迷惑が掛かるのは大問題です。

つまり、私は『少数精鋭型』を推薦しています。

これは、スタッフ一人一人が作業能力を向上させることなのです。

飲食店の中でも居酒屋では、しっかりと管理しなければ利益を圧迫します。

フルタイム勤務の正社員は1~2名であり、他にアルバイトを雇用します。

ここで重要なことは『労働生産性』なのです。

まず、フルタイム勤務の正社員の1日分の「給料」を計算します。

例えば、週1日休みであれば、1ヶ月間で26日出勤となり、

月給26万円の人が1日で頂く給料は10,000円になります。

仮に、人件費率を25%とした場合には、1日40,000円の売上が必要なのです。

つまり、上記の正社員2名で80,000円の売上を上げなければならないのです。

それを上回る売上が予測される場合に、アルバイトを雇用するのです。

アルバイトの勤務については、1時間の売上を考える必要があります。

つまり、ピーク時に人員を配置するのです。

その際も1時間当たりの「労働生産性」を計算し、シフトを決定するのです。

お客様がいない時間帯に、スタッフがたくさん勤務しているのは、

「お金」を捨てているのと同じなので、厳しく管理すべきです。


家賃

『家賃』は、営業してもしなくても支払わなければなりません。

しっかりと金額を把握しておきましょう。


水光熱費

『水光熱費』は、一般的には「変動費」として認識されています。

つまり変動費とは、営業日数や営業時間に伴って、費用も増減するものです。

なので、日々の『節約』を心掛けることが大切です。


衛生費

これは、おしぼりやクリーニング、マットなどにかかる費用です。


通信費

電話料金やインターネット回線などにかかる費用です。


リース料

リース契約をしている機材などがある場合にかかる費用です。


広告宣伝費

ホームページや店舗検索サイトの加盟、または情報誌への掲載料です。

広告等の掲載には費用がかかることは、前にもお話ししました。

「お金」をかけずに宣伝するには『口コミ』が最大の武器です。

噂で集客できる営業体制を整備することが、利益を残すことに貢献します。

もし、費用をかけて宣伝をするのであれば、

必ず結果を検証し、「費用対効果」が得られている媒体に絞りましょう。


さいごに

今回は、実際に赤字だった店舗を買い取り、初月から黒字に転換した経緯です。

赤字になる店舗には、必ず『弱点』が存在します。

客観的に眺め、お客様の気持ちになってみることができれば、必ず発見できます。

その弱点を改善し、更にお客様に感動と感激を与えることができたら、

ほぼ間違いなく繁盛店になっていくことでしょう。

もう一つ大事なことは、経費を明確にしておくことです。

毎月支払わなければならない『固定費』と、自分たちの努力で減らせる『変動費』。

この管理がしっかりできていれば、何も心配せずに経営していけます。

また、困ったことがある方は、何でも質問して下さい。

あなたの店舗の問題改善に全力で向き合う覚悟でいます。

今回は、少し長くなりましたが、お付き合いいただき感謝します。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ